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米国オレゴン州にある電子系自動設計ソフトウェアのリーディング・カンパニーMentor Graphics Corporation(MGC)は需要の増加と効率化に対応するため、幾つかに分散していた小型データセンターを統合することを決定、新しい最先端の大型データセンターは州最大の都市ポートランドから約30 km離れたウィルソンビル市にある本社に併設されました。

世界中に多くのデータセンターを持つMGCのファシリティ・エンジニア達は、エネルギーの効率化における様々な設計上の戦略を経験しています。熱遮断面の効率を最大化しコストを最小にするために、彼らは3つの主要な側面、すなわちファンのデザイン、ホットアイルの囲い込み、冷却の最小化に焦点を当てる必要があると考えていました。 同社の上級インフラ技術者であるJohn Wozniak氏はこう語ります。 「昔はデータセンター冷却装置の気流と温度の要件はエアコンと同じだったので、もっぱらエアコンがそのニーズを満たしていました。今ではサーバでの空調設備のニーズは一般のものとはかけ離れたものとなり、データセンター環境での適切な運転に苦慮しています」 「現在、サーバの『吸気』温度要件は人間が『息を吸う』のと同じである一方、排気に関してはサーバの排気温度は非常に熱いもので、根本的に異なっています。これまで私達のアプローチはサーバの状況に合わせて設計をすることで、それが人間にとっても快適なものでした。しかし、このアプローチでは現状に対する有効な方法を見いだせなかったので、設計を検証するためにMentor GraphicsのFloVENT®計算流体力学モデリング・ソフトウェアに頼ることにしました」

ムンタースのOasis™

このプロジェクトのために選ばれたムンタースのOasis™エアハンドラーは、エア・トゥ・エアの熱交換器経由で再循環するデータセンター気流の熱を遮断するために、外気が利用される間接空気側エコノマイゼーション(IASE)の原理によって動作します。このアプローチでは2つの完全に分離した気流ができます。IASEシステムでは適切な換気と空間加圧のために必要な少量の調整空気のみデータ・ホールへ導入されます。冷却ユニットは単に再循環気流から熱を取るだけなので室内の湿度レベルに影響を与えず、直接空気側エコノマイザ・デザインに比べてサーバに影響を与える周囲の汚染物質のリスクを大きく軽減することができます。 Oasis™ユニットは最適なファン効率と熱遮断コンポーネントを提供するために、さまざまにカスタマイズされました。気流を再循環させるため、各吸気口バックドラフト・ダンパを持つECモータ(可変速)を備えた直結高圧ファンによるファン配列を選択。このファン配列はファンレベルでN+1の冗長性を含めて構成されています。供給ファン・モータは帰還ダクト内でわずかに負圧がかかるように制御され、その結果、エコノマイザ冷却データセンターの電力消費が単独で最大となるという冷却空気循環のためには最適なコスト効率を実現します。 2012年7月、Oasis™エアハンドラーは現地へ送られ設置されました。この装置システムは地震重要度係数Ip=1.5をクリアするよう設計されており、コンクリート屋根の縁石にアンカーで固定されました。 設置後、初年度はサーバの吸気口温度を常時室温+/- 1°Fに維持。運転効率については、通常データセンターが低効率である特に初期段階でMentor Graphicsの期待を大きく上回りました。チームの初期の目標はコンプレッサを使用しないエコノマイザ冷却で年間5,000時間 (57%)でしたが、実際には初年度でほぼ8,000時間(>90%)を達成しました。 「この高品質な装置の導入と詳細な設計プロセスにより、私達は初日から効率化を図ることができました。その時点から私達はコストとエネルギーを削減しており、現在、すべてが正しく機能しています」と、前述のWozniak氏は述べています。 MGCデータセンターにおけるOasis™エアハンドラーによるソリューション • 臨界ITE設計負荷 (フェーズ1): 945 kW • 冗長性: N+1 • 臨界負荷IASE 4台使用時、30,000 CFM • 電気室/UPS室IASE 2台で冷却、17,000 CFM • 最初の1年間に8000時間のエコノマイゼーション • 供給および帰還分離ダンパ • 自然対流制御ダンパを含む